<試験目的>
| 抗生物質を使用せずに一定期間飼育してきた鰻に、エサの喰いの悪い冬季に植物ミネラルの摂取が、鰻の成長や健康にどのような変化を及ぼすかを目的として本試験は計画・実行された。 |
<試験の概要>
| 1. |
鰻の飼育・育養期間
2006年3月〜2007年2月 |
| 2. |
植物ミネラルの摂取期間
2006年12月20日〜2007年2月9日 52日間 |
| 3. |
試験に用いた鰻の数
36,685匹 |
| 4. |
試験実施養鰻場(熊本県)
当該養鰻場は抗生物質を一切使用せず、24のコンクリート養殖池で、年間、約1,000,000匹の鰻を出荷している。 |
| 5. |
植物ミネラルの摂取方法
マグロミール飼料に植物ミネラルを0.2%混合して、毎日摂取させた。 |
<試験の概要>
| 2006年3月から飼育を始め、植物ミネラル摂取前日及び摂取後の体重・給餌率・P/s等は下記の通りである。 |
|
匹数 |
全数の総体重 |
体重 |
P/s |
給餌率 |
| 摂取前日 |
36,685 |
6,864s |
187.1g/head |
5.3 |
1.18 |
| 摂 取 日 |
36,685 |
6,920s |
188.6g/head |
5.3 |
1.17 |
| 摂取14日 |
36,640 |
7,767s |
211.9g/head |
4.7 |
1.17 |
| 摂取21日 |
36,632 |
8,206s |
224.0g/head |
4.5 |
1.11 |
| 摂取28日 |
36,620 |
8,669s |
236.7g/head |
4.2 |
1.10 |
| 摂取35日 |
36,610 |
9,132s |
249.4g/head |
4.0 |
1.05 |
| 摂取42日 |
36,605 |
9,579s |
261.6g/head |
3.8 |
1.00 |
| 摂取52日 |
36,599 |
10,151s |
277.3g/head |
3.6 |
0.40 |
これより、ミネラル摂取前日の平均体重/headは187.1gで、最終日の52日後には277.3gで体重増加量は90.2gであった。
なお、体重増加を示さない鰻は約380匹でおよそ1%で通常の1/2から1/3程度にとどまった。又、死亡数は86匹で低レベルであった。
皮膚の色は青味の入った健康色で理想的な色を呈していた。なお、ミネラルを摂取していない鰻は薄い黒味の色で、かなりの差を示していた。
味については養殖鰻特有の油っぽさやギトギト感がなく、サッパリ感が特徴的で味に深みがでている。肉質は通常のものより柔らかさが示されている。
養殖池の水質については植物ミネラルの摂取前はPHが7以上で、NO2は0.05〜8、NH4は1.2〜7ppmであったが、ミネラルを摂取してからの3週間はPHは6.5⇔6.0⇔5.5と低下を示し、NH4も0〜1.4と低いレベルにあった。NO2は逆に18〜35ppmと高かった。その後はPHは5レベル台をほとんどキープしており、NO2も20ppm以下で37日以降は10以下であった。NH4は逆に少しずつ増加し、3週間後は4.6ppm、4週間後は7.0ppm、5週間後は9.0ppm、最終日は11ppmであった。 |
<試験の概要>
通常の飼育を行ってきた鰻に12月、1月という冬季に植物ミネラルを摂取させた結果、極めてエサの喰いがよく、体重の増加が暑い時期の夏と同じあるいはそれ以上の数値を示したが、これは極めて異常なことである。即ち、冬季の鰻は本来冬眠期間中に入っているのでエサはあまり食べない習性があるので、この期間中は体重が伸びないことが通常である。しかるに今回の試験結果では、盛夏の時期以上の伸びを示しているのは植物ミネラルの摂取によって、極めて健康状態が良化したからに他ならないと考える。又、与えたエサが残らなくほとんど食べてしまい、水環境の汚染が少なくなり亜硝酸・アンモニア及びPHのバランスがよく、飼育水環境が良く安定していることもこうした結果の要因と推測される。
又、体重だけでなく皮膚の色・ツヤも良く、死亡率も低いこと、さらに発育不良・病気鰻の発生率も少なく、これほどの短期間の投与で、通常飼育鰻と比較し全く違った良化状態が示されたことは、稚鰻の段階から全飼育期間にわたって、この植物ミネラルを摂取させたならば、従来よりかなり短期間で、健康、且つ、おいしい発育良好な鰻に育て上げられることが予想される。
又、現在、第2段階の試験として、発育不良の鰻だけを集め、植物ミネラルを摂取させ、健康な鰻に戻せるかどうかのテストを開始して2週間が経過したが、やっとエサの喰いが安定してきた。このテストで健康体を取り戻せることができるならば、状態の良くない鰻を無理に出荷せずに短期間のミネラル摂取で正常体にして出荷することも可能となるといえよう。
次に、鰻をさばいた後に0.1%の植物ミネラル水に10〜15分漬け込むことによって、鮮度保持効果とおいしさ、柔らかさなどが格段にアップすることは、これまでのテスト結果から周知の事実であり、焼いた後の冷凍保存でも冷凍焼けせず、水分保持状態の良好、脂肪変性、色の変色などが生じないが、これがもし、さばいた後、すぐに0.1%の植物ミネラルに漬け、冷凍してもおいしさ、風味が保たれ、冷凍焼けしないのであればこれは画期的なことで、これについてもテスト中である。
以上のことより、飼育期間が短縮されることだけでもエサ代金・光熱水費・その他の維持費用が節約できる。
さらに、抗生物質を使用しなくても健康な鰻を育養できることは養鰻業界にとって朗報であるのは当然ですが、他の魚の養殖、牛、豚、鶏などの生産を行っている方々にとってもこの上ない朗報といえよう。又、消費者にとっても薬を使用しないで健康な動物を食べられるという恩恵はかえがたいものがあります。現在、鳥インフルエンザが問題になっていますが、野生のミネラルバランスを与え、どっぷりと野生漬けにすることで生産動物も野生バランスを取り戻すことで、自然治癒力が増強され、病外敵に負けない健康な動物が生産できるものと考えます。今回のテスト結果は、今後、安心安全な健康動物の生産の一助に植物ミネラルがなる可能性を高めたものであると考えます。 |
<実験画像>
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